皆様、こんにちは。谷です。
10月に入り一気に秋めいてきました!お出かけするのにいい季節になりましたね。
皆様はこの秋どこかお出かけなどされますか?
また、オススメのスポットなどございましたら教えてくださいね!
さて、今回はA.ランゲ&ゾーネの設立者フェルディナンド・アドルフ・ランゲについての第32弾をご案内します。
(当シリーズはラインハルト・マイス氏が語った内容の資料をもとにお伝えしています。)
アドルフランゲの出生や学生生活などについてはそれぞれの章をご覧ください。
①ランゲの生みの親『アドルフ・ランゲ』の生い立ちと幼少期
②ランゲ少年、時計師への道のり
③ランゲ青年、時計製造国フランスに行く
④‐㉖旅の手帳の中身とは?(Page4-Page65まで)
㉗~諸外国を回った後のランゲの人生
ランゲが考えたコンスタントフォース(定力)脱進機とは?
ランゲは規則性を改善するためにコンスタントフォース(定力)脱進機の実験を1866/1887頃にはじめました。
例えば、マーティン・ハーバーの台帳にある(No.4497-4499,4503-4505,4909-4910)これらはランゲが作り上げたテンプの振動を安定させることで等時性の最適条件を実現します。
同時に、秒振り子時計と似たような技術で小さいジャンピングセコンドをつくりました。これらの初期の時計はまだ公の場にも出ておりませんでした。
実際、リヒャルト・ランゲによる社内時計の説明の際に偶然言及したことから生まれたのです。
『ここで、父が発明した定力脱進機について簡単に説明します。父はこの時計と初期の懐中時計に使用していました…。』
またこの脱進機は他のところ(M.Huberなど)でも説明されおり、コンスタントフォース(定力)脱進機と、秒ルモントワール(誤差を最小限にする機構のこと)と意味は一緒です。
2つの車輪はわずか60度だけ伸びる螺旋ばねに接続されおり、これによりテンプの次の5回の振動の間、一定の固有トルクを「ほぼ」維持することが出来ます。言い換えれば、力は実際には一定であると説明できます。
秒ルモントワールはバネの発達速度のみであり、衝動や弾みではありませんでした。
実際の説明について。
脱進機用の小歯車は6つの歯を持つジャンピングホイールと一体化していました。
15の歯を持つ脱進機bと6つの歯を持つ小さいリリースホイールcは一緒に固定されていますですが、同じ軸をもっているのでそれぞれが自由に回転する事が出来ます。
2つともペアの場合は、ジャンピングホイールを持つ脱進機軸、そしてリリースホイールを持つ脱進機は1つの螺旋状のゼンマイと同期かしております。
a=ジャンピングホイール
b=脱進機歯車
c=放出歯車
d=放出レバー
e=固定石
それらはパレットレバーに負荷を掛けます。
5回の振動(半振動)の後、リリースホイールの歯がレバーdを持ち上げて、レバーdがロックストーンeを持ち上げます。そうしてジャンプホイールを解放します。進行中の輪列から張力を受けて、次の歯が固定石に接触することに前方に60度弾けて、同時に螺旋ばねを緊張させます。そして文字盤の秒針が1秒進みます。
まとめ
現代でも多くの時計技師が取り組むルモントワールやコンスタントフォースの定力装置は、19世紀からずっと議論され続けていると思うと非常に面白いですね!
どちらの機構も一長一短ではありますが、どのような進化を遂げ、やがてコンスタントフォースに分かれていったのかとても興味深い内容でした。
次回はジャンピングセコンドについてお話していきます。