皆様こんにちは、パネライ 大阪心斎橋ブティックの菊池です。
本日は、パネライのクロノグラフモデルに搭載されている事の多い、『フライバック』の機構についてお話ししたいと思います。
まず、『クロノグラフ』とはギリシア語の『クロノス(時間)』と『グラフォス(記す)』を組み合わせた造語で、時間を書き留める機能でしたが、今は経過時間を計る為の機能を備えた装置の事を意味します。簡単に言うと、ストップウォッチ機能を搭載した時計と理解いただければ大丈夫と思います。
一般的なクロノグラフの操作方法は、スタート(10時位置)→ストップ(10時位置)→リセット(7時位置)の3回のプッシュで一連の流れが完結します。
では、今すぐリスタート(再計測)が必要になった場合どうでしょう?上の写真の様に、今計測中の状態を止める→リセット→スタートと、3回のプッシュが必要となり、手間がかかります。
それぐらい良くない??と思う方も多いと思いますが、軍需品として使用されていた時代にはカーナビの様な便利な物は無く、飛行時間、目的地への到着予定時刻、現在の位置などを割り出すために、クロノグラフは使用されていました。
飛行機や車の操縦中に、再計測する為に操縦桿から手を放して、ストップ・リセット・再スタートと、3回プッシュするのは難しく、手間がかかりすぎます。
そこで解決策として登場した機構が『フライバック』になります。
フライバックは『Fly(飛ぶ) Back(戻る)』の意味の通り、針が瞬時に戻る事を意味します。
計測中にリセットボタンを1回押すことで、計測を0から再スタートさせることが出来、中間タイムなどの読み取りが格段にやり易くなっています。では、どんな動きをするのかは動画で見てみましょう!
いかがですか?
瞬時にすべての針が0に戻り、再計測を始めています。
この小さな腕時計の中に、電子部品をを使わずに歯車の配列だけでこの機構を組み上げているなんて、機械式時計には奥の深い魅力を感じますね。
店頭には数点フライバック機構を搭載したモデルを展示しております。
実際に操作をすることで機械式時計の魅力を感じて頂けると思います。是非、店頭にて実感しにいらしてください。皆様のご来店を心よりお待ちしております。