皆様こんにちは、小田です。
いつもパネライ 大阪心斎橋ブティックのブログをご覧いただき誠にありがとうございます。
今回は「ラジオミール」シリーズのケースの違いについて、現在店頭にあるモデルを使ってご紹介します。
店頭モデル「ラジオミール ベース ロゴ(PAM00753)」と「ラジオミール(PAM00619)」を比較
「ラジオミール」はパネライの源流となるリュウズプロテクターがないデザインとして、多くの方に愛されているシリーズです。
そんな「ラジオミール」シリーズにも『ラジオミール』と『ラジオミール 1940』の2種類があるのをご存知でしょうか。
簡単にご説明すると、
『ラジオミール』ケースは1936年にイタリア海軍に潜水部隊へ納品したプロトタイプと同じであり、
『ラジオミール 1940』ケースは1940年代の過渡期のデザインを復活させたものです。
では詳しく比較していきましょう。
リューズ(クラウン)の違い
パネライのリューズはリューズプロテクターの存在もあって特徴的な要素の一つですよね。
「ラジオミール」は皆さんご存知の通り、初期段階のデザインを踏襲しているのでリューズプロテクターはありません。
『ラジオミール』ケースは巻きやすい逆三角形のリューズです。
クラシカルで実用的な形状で、20世紀前半のミリタリー系ウォッチに多く見られたデザインとなっています。
潜水士のグローブをはめた手でも操作しやすいように開発され、現在のモデルにも採用しています。
『ラジオミール 1940』ケースではより現代的な凸型が採用され、奇をてらわない形状になりました。
サイズはやや大きめにして回しやすいように工夫が施されています。
ラグの造形
ラグはベルト部分の付け心地に直結する重要なポイント。
「ラジオミール」はラグの違いが大きな特徴となります。
『ラジオミール』ケースは1930年代のオリジナルと同じくワイヤーループのラグを採用しています。
現在はラグの根元はケースの取り付け部分に差し込んで、ネジ留めにしある程度の耐久性とクラシカルな雰囲気を再現しています。この方式も特許を取得したパネライ独自の構造です。
『ラジオミール 1940』ケースはループでは無くなり、ラグの下辺を長く伸ばしています。
当時の技術ではワイヤーループでは衝撃に耐えられない事例もあったため、1940年代の過渡期のパネライはこの形を採用しました。
こうすることで、ケースバックからラグにかけてのラインを腕に添わせて、ストラップとの結合部を出来るだけ腕の外側に位置させることで安定感を生んでいます。
※現在ではワイヤーループラグでも余程の衝撃が加わらなければ、ある程度の耐久性はあります!
サイド形状と仕上げ
ケースの直径は皆さん腕時計選びの際に最も気に掛ける重要ポイントですよね。
実はサイドからみたケースの形状も腕時計のスリムさがわかるところです。
着け心地は大きさだけでなく、薄さや形状で大きく変わってくるものです。
『ラジオミール』ケースは綺麗な上下対称の流線形に造形され、目視ではかなり薄く見えます。
幾何学的に美しいだけでなく、着用感も心地よいです。美しく機能的に仕上げられているため、より袖口が気になりません。
『ラジオミール 1940』ケースでは流線形ながらも上下のカーブが微妙に異なります。
上部はなだらかで、下部は急な曲率。マイクロローターが採用されたためこのような一段とケース厚が抑えられたデザインになりました。
現在の夜光塗料はどちらもルミノバが使われています。
当初はラジウムを塗料として使用していたため、「ラジオミール」と名付けられました。
いかがでしょうか。
ケースのエッジの仕上がりも微妙に異なり、『ラジオミール』ケースはよりシャープな流線形なので丸みを帯びた形。
『ラジオミール 1940』ケースはラグに合わせて最もなだらかな形状です。
個人的に「ラジオミール」シリーズはパネライの中で最もクラシカルで味のあるデザインなので、特におすすめです。
是非とも店頭でもお確かめください。
品番: PAM00753
ムーブメント:手巻き(パネライ自社製P.6000キャリバー)
ケース:AISI 316L ポリッシュスティール
防水:10気圧(100m)防水
ベルト:カーフストラップ
サイズ:45mm
価格:653,400円(税込)
その他特徴:取り外し可能なワイヤーループ式ストラップ・アタッチメント(パネライ特許)
パワーリザーブ3日間
品番: PAM00619
ムーブメント:自動巻き(パネライ自社製P.4000キャリバー)
ケース:サテンチタン
防水:10気圧(100m)防水
ベルト:カーフストラップ
サイズ:45mm
価格:1,416,800円(税込)
その他特徴:タングステン合金製オフセンターローター
パワーリザーブ3日間