皆様こんにちは、小田です。
いつもパネライ 大阪心斎橋ブティックのブログをご覧いただき誠にありがとうございます。
今回はパネライの時計における特徴の一つでもある『サンドイッチダイヤル』について、
そしてモデルによって異なるインデックスの種類についての2つをお話しさせていただきます。
サンドイッチダイヤル誕生の背景
1938年以降、イタリア海軍によるダイバーズウォッチの需要が高まり、パネライは改良を繰り返しながら「ラジオミール」を納入していました。
ラジウムを使用した粉末を開発し、計器や照準器のダイヤルに塗布して視認性を高め、特許取得の第一号がこの「ラジオミール」でした。
この頃塗料の他に革新的だったのは、文字盤の構造でした。
一枚のプレートにインデックスを彫った部分へ発光塗料を塗り込んだものから、いわゆる「サンドイッチ構造」の文字盤へ変わったのです。
かつて無いレベルの光度と視認性を実現するため、パネライがデザインしたこの文字盤は最初は3層で構成されていました。
上側のプレートには穴をあけ、下側のプレートには無地のまま夜光素材を塗布しました。
この上下のプレートの間に透明なプレキシガラス®製の板を挟み、発光物質を保護した状態で結合します。
この方法により、発光物質を文字盤上で保護することができたのです。
この構造にしたおかげで文字盤は夜間も非常に明るく、イタリア軍の水中任務の際には光で位置が悟られないように時計を泥や海藻で覆う必要があるほどだったそうですよ。
サンドイッチ構造はその後改良が重ねられ、現在は2枚のプレートによる構造になっています。
理想的なレベルの明るさと持続性を実現するため、今日パネライは特殊な高性能顔料からなるスイス製「グレードA」のスーパールミノバ®を使用しています。
サンドイッチダイヤルの効果
さらに、水中でのミッション中に手元が発光することで敵に見つかってしまうことを避ける必要がありました。
実際に資料にはパネライが時計を納入する際、深水計などの計器に使用されていたラジオミール塗料の光が強すぎて、水面から敵に攻撃を受けたという事例があります。
その為にスポットライトのような役割をするサンドイッチダイヤルが活躍しました。
塗料の上に、数字やバーが切り抜かれた文字盤を覆い、水面から見えにくくなる事で敵に気付かれずに任務を遂行する事が出来ました。
一方向に光を凝縮することで、全体的にぼやける事無く現在時刻の表示をハッキリと読み取ることが出来ますし、斜めから見ると溝に隠れて光が見えにくくなる効果もあるのです。
その他のダイヤルの個性豊か!
もちろんおすすめは『サンドイッチダイヤル』ですが、パネライでは他にも違う仕様のインデックスがあります。
サブマーシブルシリーズではお馴染みの『アプライドマーカー』ダイヤルは、文字盤上に数字やドットなどをアプライド(植字)しているタイプ。
立体的な印象になるのが特徴で、発光時にも立体感が生まれます。
正面からだけでなく立体的に光るので暗所での視認性の向上に繋がります。ダイバーズウォッチなので敵に見つかる心配も不要ですからね…!
続いては『ホロー』ダイヤル。
ルミノールベースやロゴシリーズなど、比較的リーズナブルなモデルに採用される傾向にあります。
『ホロー(hollow)』とは英語で『窪み・凹み』といった意味になります。
直訳の通り、構造としては文字盤にインデックスの形に予め彫っておき、その箇所に塗料を流し込んでいます。
簡単なように感じるかもしれませんが、均等に塗料を流し込む難しさと薄い文字盤の上でこの工程を行わなければならないので、ここでもパネライの視認性に対する熱意が感じられます!
最初にパネライが世界デビューした1998年頃から多くみられた『プリント』ダイヤル。
文字盤の上に文字を塗料で印刷、または塗っている仕上げでパネライのプリントダイアルはより立体的でぷっくりしています。
発光塗料を厚く塗ることでより明るくし、長く光り続けてくれます。
この厚みで美しく、インデックスの外に流れ出ない様に丁寧に仕上げられています。
このプリントダイアルは既に生産が少なく、今では珍しい文字盤です。
いかがでしょうか。
サンドイッチダイヤルとその他の文字盤も個性豊かですね。
パネライの視認性への追及は今でも新しいモデルを生み出しています。
また今回登場したモデルは現在店頭にも並んでおります。気になられるモデルがございましたら、お気軽にお申し付けください。
皆様のお問い合わせ、ご来店を心よりお待ちしております。