皆様こんにちは、パネライ 大阪心斎橋ブティックの菊池です。
タイトルにもありますが、自動巻きウォッチには竜頭を使って手動で巻き上げる機能がほぼ付いています。ご使用方法の説明の際に、手動で目一杯巻き上げて良いの?という質問をお客様から頂く事がございます。
そこで今回は完全に停止している時計は、どのパターンで巻き上げるのが一番良いのかを見ていきましょう!
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①完全に巻き上がるまで竜頭で巻き上げる。
自動巻き機構は、手巻を主力として動力を蓄える構造では無い為、完全に巻き上がるまで竜頭で巻き上げる事は、各パーツの破損や故障を引き起こす原因となります。これは、竜頭からの巻き上げ回転数は減速されずにダイレクトに伝わる為、巻き上げ機構に負荷がかかるために起こります。
以上の事を考えると、手巻きでゼンマイを巻き上げる頻度が多くなればなるほど機構部品の摩耗から、故障のリスクが上がってしまいますので推奨できません。
②手で振ったりして巻き上げる。手巻きは行わない。
自動巻きウォッチは、水平に手に持ってローターが回転するのを感じながらゆっくりと左右に振る事で巻き上げられます。ただ、ある程度巻き上げる為の方法としては現実的ではありません。なぜ現実的では無いかというと、巻上機構がローターの回転数に対し、実際の巻上量はごく僅かになり、相当数の回転(完全に巻き上げようと思えば数百回以上)が必要になります。変速ギア付の自転車が分かりやすいかもしれません。手巻きは重いギアの方で一回転で距離を伸ばせますが、自動巻きは軽いギアの方で漕ぐ回数を増やさないとなかなか前に進みません。時間がかかりますし、無理に手のひらにぶつけてローターの回転数を上げようとしたりすると、こちらも故障の原因に繋がりますのでこちらも推奨出来ません。
③ある程度(20~30回程)巻き上げ、あとは腕に着ける。
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機械式時計は巻き始めはゼンマイのトルクが十分では無い為、精度が安定せず日付などの付随機能に影響が生じ、時計全体が止まってしまう恐れがあります。その為、完全に止まった状態から竜頭をゆっくりと優しく20~30回程度手で巻き、時刻を合わせてから腕に装着し、腕の自然の動きによってローターを巻き上げる事で、機械への負担を最小限に抑えることが出来、安定した精度も得ることが出来ますので、この方法が一番ベストの操作方法と考えます。
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いかがでしたでしょうか?
皆さんは今までどのように腕時計の操作を行っていましたか?是非、末永くご愛用頂く為の参考にして頂ければと思います。その他、機械式時計について気になる事がございましたらお気軽に店頭スタッフまでお尋ねください。
皆様のご来店を心よりお待ちしております。