皆様、こんにちは。谷です。
新年が明けてもう8日。1月は「行く」、2月は「逃げる」、3月は「去る」と言われますがどうしてこんなにも早く1日が過ぎていくのでしょうか……。とっても不思議です。
さて、今回は、A.ランゲ&ゾーネにも刻まれるDNA。ドイツ製品の魅力について考えていきます。
みなさま、ドイツ製品またはMade in Germanyと聞くと何を思い浮かべますか?
ドイツを代表するデザイン思想『バウハウス』には、当時の時代背景や価値観が大きく関わっています。
では、まずは『バウハウス』について歴史を交えて紹介していきます。
そして、A.ランゲ&ゾーネ時計の中でもっとも『バウハウス』を実感いただける時計をご案内いたします。
ドイツを代表するデザインコード『バウハウス』とは?
近年、ドイツデザインが注目されていますが、その根底には『機能主義の考え方』があります。
この考えはアール・デコと呼ばれるデザインが生まれた時代に対局にあるデザインコードでした。
アール・デコと呼ばれるデザインコードは1925年のパリ「装飾美術」で示されたデザインで、特徴として明快な幾何学図形、直線、鮮やかな原色の組み合わせが見られます。
一方、ドイツを代表する『バウハウス』のデザインは、1919年にドイツ中部の都市ワイマールに設立されたバウハウスという造形学校が始まりです。バウハウス造形学校では、建築を中心に家具、織物、タイポグラフィー(デザイン化された活字)などの総合的な造形が教育がなされていました。
そして、卒業生や教授陣が時計のデザインにも関わりました。彼らが時計のデザインに関わった時代は、ムーブメントはすでに小型化、本格的に腕時計が発達した時代で、現在の腕時計における基本的なシルエットが出揃った時期でもあります。
近国スイスで流行り始めた時計の発展はドイツにも訪れ、ドイツならではのデザインを施していきます。
そのデザイン思想の底流にあるものが『近代合理主義』で、自らの環境をシステム(組織)として捉え、デザインしていったのです。
ナチスの台頭による造形学校『バウハウス』の閉鎖
バウハウス造形学校が出来てから14年後の1933年。ナチスが政権を獲得するとバウハウスは閉鎖されました。
しかし中心メンバーはアメリカに渡り、その教育活動は続けられました。
そうして1930年代から50年代にかけて、機械的合理主義、大量生産を背景にアメリカが経済力や生産力で世界をリードし、デザインの主導権も握っていきました。
ストリームライン(流線形)やジェットラインが生まれました。腕時計も時代の流れを汲み、装飾を排除した機能性、耐久性を追求していきます。
第2次世界大戦の終結と失われた『モダンデザイン』と『バウハウス』
第2次世界大戦後の1953年、ドイツのウルムに再び造形学校が開設されます。
1968年まで活動し、優れた時計デザイナーフェルディナンド・A・ポルシェも学びました。
バウハウスが生み出したデザインコードは、モダンデザイン(近代デザイン)と総称されますが、1970年代になってモダンデザインはその機能主義や合理主義の発想ゆえに、退屈なものとして時代に取り残されていきました。
そうして生まれたのが、『ポストモダン運動(反モダン運動)』でした。
1990年代に復活した『モダンデザイン』きっかけは?
しかし、1990年代にバブルが崩壊するとともに、ポストモダンの装飾主義的懐古趣味に対してモダンデザインが評価されるようになりました。そして、モダンデザインに大きな影響を与えたバウハウスのデザイン思想が再び注目されることとなりました。
そうして、ドイツメーカーへの評価の高まりや視認性なども含めた機能性への追求姿勢などは、バウハウスの思想が原点にあると言えます。
ただ過去のものとは異なり、より高度な加工技術、表面的なスタイルではなくケース部分の構成、フィット感を高めるためのディテールの工夫、ベゼルや文字盤の立体感など、様々な角度からデザインの見直しが行われ、時代に合わせたデザインコードが作成されています。
A.ランゲ&ゾーネの時計もバウハウスの思想を汲んでいる。
さて、『バウハウス』思想と時代の流れはいかがでしたでしょうか?
ここからはA.ランゲ&ゾーネの時計の中にもある『バウハウス』の思想についてお話していきます。
バウハウスのデザインを取り入れたA.ランゲ&ゾーネの時計の代表作は『サクソニア』ファミリー。ドイツ時計らしいシンプルに徹したデザインでありながら、技巧を凝らした仕上げや作業が施されているのがA.ランゲ&ゾーネのドレスウォッチなのです。
バー・インデックスにミニッツマーカー、やや小さめのスモールセコンドダイアルを持ち、シャープ針をもつところが、バウハウス(合理主義・機能主義な芸術品)の要素を感じさせます。
サクソニアの魅力を更に詳しく見ていきましょう。まずはデザインコードから!
しかし、機能美を追求し、清貧な存在を求めるバウハウスに対して、A.ランゲ&ゾーネの『サクソニア』は裏から見えるムーブメントの美しさも求め、バウハウスを超越したドレスウォッチの製作をしています。
それは、バウハウスの様な合理的・機能主義な側面も持ち合わせながら、宝飾品としての美しさを感じさせます。
ランゲのこだわりが垣間見える。ダイヤル仕上げとは?
『サクソニア』シリーズでは、A.ランゲ&ゾーネのダイヤルの仕上げのこだわりを感じて頂けます。
土台となる文字盤はシルバー無垢です。その表面は非常に細かい粒子を平滑にならしたような仕上げで、光を拾ってキラキラと輝きます。それは抑制の効いた輝きでなんとも言えない質感なのです。そこに磨き込まれたゴールド無垢製のバー・インデックスが置かれます。とにかくシンプルなバーインデックスです。
しかし、バーの立体感や長さ、角の丸みなどは見れば見るほどこだわりを感じます。スモールセコンドダイアルは地板とは質感を変えたサンレイ仕上げで、カウンターウェイトの長い秒針がセットされています
シンプルな時計だからこそこだわったアルファハンズの針デザインとロゴデザイン
そして最後にシャープなアルファハンズ(針のデザインの1種)です。シンプルな顔立ちのドレスウォッチにおいては時分針は時計の顔となる重要なパーツです。ランゲは基本的に殆どのモデルで時分針にはアルファ針を用いており、アーチ型のブランドロゴと合わせてA.ランゲ&ゾーネの顔として形成しています。
しかし、A.ランゲ&ゾーネの針は中央にシャープな稜線が出る造形ではなく、なだらかな丘陵のような断面を持っています。それでありながらとても綺麗に陰影が浮かび上がります。
スモールセコンドはダイヤルが小さく、位置もやや中心寄りですが、上部にあるロゴのアーチとのバランスが良く、非常にまとまりの良いデザインとなっています。
サクソニアシリーズを購入するとどんなBOXに入ってるのか、気になりませんか?
是非こちらのブログをご覧ください!!サクソニアのBOXがどのようなものか載せています♪
https://www.jw-oomiya.co.jp/blog/alangesoehne-boutique-osakashinsaibashi/3272
まとめ
いかがでしたか?
バウハウスを取り入れたデザインは多くのドイツ製品に見られます。
ドイツ時計に感じられる『バウハウス』とA.ランゲ&ゾーネらしい『質実剛健』なつくり込み。
機能性、デザイン性を天秤にかけた時、どちらも50:50で存在するのが「サクソニアファミリー」ではないでしょうか?
是非、当ブティックにも遊びにいらしてくださいませ。