皆様、こんにちは。谷です。
最近は、冬に向けての筋トレ強化部位の洗い出し、どんな秋・冬の日本酒(ひやおろし・搾りたての新酒)を買おうかリストアップに追われる日々です。
皆様、この時期お勧めのお酒(日本酒以外にもワイン、ウィスキー、カクテル等も◎)またオススメの筋トレ追い込み方などございましたら是非教えてくださいませ!!
さて、今回は正確さを追求するA.ランゲ&ゾーネならではの『自社製ヒゲゼンマイ』をご紹介します。
ランゲにとって『ヒゲゼンマイ』は、ランゲの努力の結晶と言っても過言ではない、歴史を持っています。
ヒゲゼンマイって何?どこにいるの?
まずゼンマイはヒゲゼンマイは機械式時計の心臓部であり、歩度の正確さを左右する重要な部品です。
そのリボンのような金属帯の厚さがわずか0.001ミリ狂うだけで、ゼンマイの種類によっては、歩度が1日あたり約30分も変わってしまいます。
ヒゲゼンマイの製作は、精密時計の工程の中でも最も難しい工程に数えられます。
それにもかかわらず、寸法公差(加工をする際に与えられる許容値)は0.0005ミリという驚嘆に値する精密さです。ヒゲゼンマイを内製できるマニュファクチュールは世界中でもほんの一握りしかありませんが、ランゲはそのうちの1社であり、製造されるヒゲゼンマイの品質が特に高いことで知られています。
A.ランゲ&ゾーネでは、特殊な計算式を用いて、キャリバー1個1個に対して最適なヒゲゼンマイを作っています。
A.ランゲ&ゾーネのヒゲゼンマイのつくり方をご紹介します!
では、製作過程をA.ランゲ&ゾーネブティック大阪心斎橋にあるヒゲゼンマイができるまでの流れを示した模型と共に見てみましょう♪
①引き抜き
製作が始まるときのゼンマイ材の直径は0.5ミリです。手順1は、このゼンマイ材をさまざまな直径のダイヤモンド製引き抜き型に通す作業です。ヒゲゼンマイをどのモデルに使用するかによって、多いものでは32段階もの引抜き工程を経て適切な直径にします。例えばリヒャルト・ランゲ・パーペチュアルカレンダー “テラ・ルーナ”に取り付けるものは、直径わずか0.059ミリです。
②圧延(あつえん)
極細になったゼンマイ材を転がして正確に最終寸法に仕上げます。ゼンマイ材は粗ロール作業と仕上げロール作業を経て、モデルによって厚さ0.022~0.044ミリ、幅0.08~0.17ミリになります。その際にランゲが許容する誤差は1万分の1ミリで、これは髪の毛1本の直径の百分の1にあたります。このような単位になると、レーザーを使った測定による品質検査だけでは十分とはいえません。万全を期すため、さらに微量天秤で重量を量って、帯状の鉄線が規定の長さになっていることを確認します。
③切断と巻き上げ
その次に、ゼンマイ材を指定の長さに正確に切り、それに続いてゼンマイ特有の形状にします。ゼンマイ材があるべき曲線を正確に描くように、3本から5本のゼンマイ材を重ねて巻き上げます。この本数は取り付けるモデルによって異なります。これらのゼンマイ材を熱処理後に再びばらします。すると、ゼンマイが「呼吸」(振動)をするための隙間が、指定どおりの寸法でできあがります。
④熱処理
巻き上げたゼンマイ材を12時間にわたって特定の温度サイクルで加熱し、慎重に冷却します。ゼンマイはそのあるべき形状に固定され、望ましい強度になります。ゼンマイは、わずかな誤差や不具合だけでも使い物にならなくなるため、常時、温度を記録しながら測定データを評価して温度サイクルを厳正に監視します。
⑤曲げ
A.ランゲ&ゾーネでは、ゼンマイ1本1本の曲げ点を特別な計算方法で正確に求めています。ステンシルにゼンマイを固定して、顕微鏡で見ながらゼンマイの端を専用プライヤーで曲げます。この曲げ作業には人並み外れた指先の繊細な感覚と正確さが求められるため、ヒゲゼンマイを製作できるのは、その道で経験と研鑽を積んで技術を磨いてきた職人に限られます。
⑥組み立て最後の手順は、ゼンマイとテンワの組み立てです。理想的な精度を得るため、テンワごとにぴったり合ったヒゲゼンマイを選びます。高感度振動計測装置で、理想的な組み合わせのゼンマイとテンワを見つけ出し、A.ランゲ&ゾーネの時計に取り付けます。
まとめ
いかがでしたか?
1つのパーツにこれだけの正確さや緻密さを要するのが、腕時計なんですね。
人の手で一つ一つ製作されていると思うと、時計への思いが深まります。
是非、皆様も店頭で、模型をご覧いただきながらA.ランゲ&ゾーネの時計への思いを体感して頂けたら…♥と思います。