皆様、こんにちは。谷です。
昨日1日続いた雨が嘘のような日曜日ですね!
急な温度差による体調不良には気を付けてお過ごしくださいませ。
さて、今回は時計を知ると気になる機構の1つである『ムーンフェイズ』についてご紹介します。
まずは、ムーンフェイズの機構と仕組みについてお伝えしていきます。
一体なに!?ムーンフェイズってどんな機構?
まずは、『ムーンフェイズ』とは何か?を解明していきます。
『ムーンフェイズ』とは、簡単に言ってしまえば、『月の満ち欠けがわかる機構』です。
より詳しく説明すると、「ムーンフェイズ」という言葉ですが、これは「月相(げっそう)」を意味します。
簡単に言うと、「私たちが見える“月の形”」のことです。
月が見えなければ「新月」、月が全部見えれば「満月」、その間の形である「上弦」と「下弦」などのことです。一般的には、その月の形を28段階(28相)に分け、「1~28」の数字を振ってカウントします。
では、もっと掘り下げて『ムーンフェイズ』を説明します。
まずは、私たちが見ている実際の『月』の動きについて説明します。月の形は月が地球を一周回る(公転)することで、変化します。このときの実際の月の公転周期は、平均して約27,32日です。しかし、その間にも、地球と太陽の位置関係は変わります。月が地球を一周するころには、地球と太陽の位置は2日分ほど移動するのです。そのため、実際の新月から次の新月までの一周(朔望月/さくぼうげつ)の平均は約29,53日になります。
月の形が一巡する周期(新月から次の新月までの期間)は、約29.53日となっており、“少数点以下のある数字”です。そして、この周期は平均値であり、より厳密に言うと29.27日から29.83日の幅があります。
では、この月の動きをどのようにして歯車を用いて小さな時計の中で表現したのでしょうか?
ムーンフェイズが「29日間」であれば、“29歯の歯車”を利用して、“29刻みの動き”を生み出すことができます。しかし、実際の数値は「29.5日間」です。歯車は「一歯の動きが、ひとつの動作出力」という原則のもとでは、歯車の歯は“整数”であり、“29.5歯の歯車”を表すことができません。
そこで「29.5日」の「0.5日」を表現するために「29.5」を倍にした“59歯の歯車”でムーンフェイズディスクを動かす方法を用いて解決しました。
59の歯を持つ歯車を、1日に1歯ずつ進めて回転させると、半周で29.5日となります。つまり、ディスク半周で、私たちが見ている月の動き(月相)の1サイクルを表示する仕組みです。
ここまでが、『ムーンフェイズ』の仕組みと動きについてです。
続いては、A.ランゲ&ゾーネの『サクソニア ムーンフェイズ』について説明していきます。
実は、ムーンフェイズにも『高精度ムーンフェイズ』と呼ばれるものがあり、A.ランゲ&ゾーネの『サクソニア ムーンフェイズ』は「高精度ムーンフェイズ」に該当します。
では、従来のムーンフェイズト高精度ムーンフェイズは何が違うのでしょうか?
違いを表を用いてみていきましょう!!
ムーンフェズの種類 | 従来のムーンフェイズ | 高精度ムーンフェイズ |
朔望月の周期 | 「29.5日」 | 「29日と12時間45分」 |
ムーンフェイズディスクの歯数 | 「59歯」 | 「135歯」 |
誤差理論値 | 「約3年で1日」 | 「約122.6年で1日」 |
先ほど説明した従来のムーンフェイズは、理論上、“約3年で1日程度の誤差”が生じてしまいます。しかし、高精度ムーンフェイズはより高い精度が保たれています。A.ランゲ&ゾーネのムーンフェイズは、“約122.6年で1日程度の誤差”です。
高精度ムーンフェイズは、ムーンフェイズディスクの歯数が多いのが特徴です。より誤差を減らすために、より歯の数が多い歯車を採用していることが分かります。
高精度ムーンフェイズは、「アストロノミカル・ムーンフェイズ」と呼ばれており、ディスクの歯の数を増やすことによって、アストロノミカル(天文学的数値を算出することができる)と言われています。
ムーンフェイズは機構としての魅力だけでなく、その芸術性や1日1日と変わる表情の美しさから、時計好きの方にも支持されています。
中世ヨーロッパに機械式時計が登場して以来、時計にムーンフェイズ表示がしばしば加えられてきたのも、月と人間の生活との深い結びつきを示しています。
月は古くから、自然現象や動物の行動などとの結びつきがあり、人間の生活にも深く根を下ろしてきました。
月はその位置や距離によって、様々な影響を地球に与えています。
もっともわかりやすいのが海の潮の満ち引きではないでしょうか?
月の満ち欠けによって変化する大潮や小潮によって魚の釣れ方や、波の状態が変わってきます。
古より、私たちの生きるリズムに、大きな影響を与えてきた月の満ち欠けを表示するムーンフェイズ。
『月』の美しさや芸術性を腕時計に閉じ込めたムーンフェイズは時計が好きな方からも根強い人気を誇っています。
星の数はランゲ1。どのモデルよりも美しい『サクソニア・ムーンフェイズ』
サクソニアシリーズの中でオーバー40mmのサイズ径となり、サクソニアシリーズでは大きな文字盤です。
A.ランゲ&ゾーネ独自の『アウトサイズデイト』と『ムーンフェイズ』に機構を同時に持つサクソニア・ムーンフェイズ。
特にムーンフェイズにはこだわりがあり、852個の星々がちりばめられたムーンディスクは筒車と連結されていて、月そのものと同期するように動きます。ランゲのムーンフェイズは「アストロノミカル」とよばれ、ムーンフェイズ表示を一旦正確に合わせて連続して作動させれば、1日分の誤差を修正す必要が生じるのは122.6年後という制度の高さを備えています。
角を面取りして磨き上げたゴールド無垢製のバーインデックスは小さなパーツではありますが、細部までこだわるドイツ時計らしい飾りっけのない文字盤を美しく見せているのではないでしょうか?
試行錯誤の結果生まれた、プッシュボタン。機能性が光る『1815 アニュアルカレンダー』
2010年のに発売されたサクソニア・アニュアルカレンダーに続く第2作目のアニュアルカレンダーとして誕生しました。
サクソニア・アニュアルカレンダーとの違いとしてはパワーリザーブが46時間から72時間まで上がっていることや『1815 アニュアルカレンダー』では1プッシュで、日付、曜日、月およびムーンフェイズを動かすワンタッチ調整プッシャーがついてます。
『1815 アニュアルカレンダー』はホワイトゴールドとピンクゴールドの設定となっていますが、ホワイトゴールドは、よりブルースチールの針がダイヤルと鮮明なコントラストをなし、優れた視認性を発揮します。
ピンクゴールドでは、ダイヤルとブルースチールの針、ケースのピンクゴールドが懐中時計を彷彿させます。
ムーブメントはA.ランゲ&ゾーネの伝統的なジャーマンシルバー(洋銀)でできた4分の3プレートやハンドエングレービングを施したテンプ受け。そしてブルースクリュー、ゴールドシャトン、赤いルビーの受石が美しい色の三和音をなしています。
ムーブメントの高さを最小化するために、巻き上げ輪列を上部に配置し、4分の3プレートから露出させることで高さ10.1mmを実現しています。
デイ&ナイト表示のムーンフェイズを備える『ランゲ1・ムーンフェイズ』
『ランゲ1 ムーンフェイズ』ですが、ムーンフェイズがデイ&ナイト機構となっており、月の背景が1日で変わるのが特徴です。
また、『サクソニア ムーンフェイズ』同様、アストロノミカル・ムーンフェイズですので、ずっと動かしていただければ、誤差は「122.6年」に1度だけです。
それだけ緻密な『ムーンフェイズ』でありながら、1日で月の背景が動く姿は『ムーンフェイズ』が好きな方にとっては最もグッとくる時計ではないでしょうか?
日中は星も雲が1つもない、爽やかな天空が広がります。
そして深夜12時頃。瞬転式ディスクがパチンっと日付が変わった時には383個の星々が満天となり美しい背景を楽しんでいただけます。
まとめ
いかがでしたか?
それぞれのムーンフェイズが持つ特徴をお伝えしました。
どのシリーズのムーンフェイズも魅力的ですが、実用性、バランスを兼ね備え。更にA.ランゲ&ゾーネの歴史やドイツの歴史を感じることのできる『1815 アニュアルカレンダー』に最も惹かれました!
皆様はどのムーンフェイズに惹かれましたか?
現在、A.ランゲ&ゾーネブティック大阪心斎橋では、お時計のご予約を承っております。
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