皆様、こんにちは。谷です。
今朝は久しぶりに雨が降り、涼しい朝でしたね。
今回は涼しげなブルースチールが印象的な1815シリーズより、『1815 UP/DOWN』のご紹介です。
1815に用いられているブルースチール針、端正なアラビアン数字、レイルウェイなどはランゲを設立した初代、アドルフ・フェルディナンド・ランゲが好んで採用していたデザインです。
実は、1815は1994年に第一弾の復興コレクションを発表されたときには発表されておらず、その1年後の1995年に登場しました。
当時プロダクトデザイナーであったラインハルト・マイスが書いたスケッチには、文字盤のデザインはたくさんあるものの、ムーブメントのスケッチはほぼ残されていないのです。
通常は、ムーブメントの開発から、その後文字盤のデザインが決定されていきます。
では、1815のデザインの特徴も合わせてご紹介いたします。
①ブルースチール針
1815と名前を聞いて思い出すのは、『ブルースチール針』ではないでしょうか。摂氏300℃までゆっくりと丁寧に加熱され青焼きされた針は、なんとも言葉では表現しきれない絶妙なコーンフラワーブルーに染まっています。これは、極薄の硬化膜マグネタイトが光の干渉効果によって、深いブルーに見えているのです。
②アラビアン数字とダイヤル
かつてのランゲ製の懐中時計からデザイン要素を取り込み、読み取りやすいアラビアン数字を採用。
中央部分を一段低くしたダイヤルは視認性を高めるだけでなく、スモールセコンドと合わせてのデザイン性も追及しています。リューズに対して90度の位置にスモールセコンドを配置するサボネット様式のデザインも1815シリーズでは複数のモデルに採用されています。
③レイルウェイモチーフの分目盛り
1815のデザインで最も特徴的なのは、線路をイメージしたレイルウェイモチーフの分目盛りを備えたダイヤルです。
これは、鉄道の開通によって懐中時計の重要性が増した時代を彷彿させるデザインで、F.A.ランゲが工房を設立した時期とも重なっています。
『1815 UP/DOWN』では、かつての懐中時計やマリンクロノメーターにも搭載されていたパワーリザーブ表示AUF/ABがあり、その表示は1879年にA.ランゲ&ゾーネが取得した特許に基づくものです。『1815 UP/DOWN』に用いられているキャリバー「L051.2」は、ムーブメント上部に輪列を取り付け、ビス留め式ゴールドシャトンを2つ追加しました。
小型化を可能にした設計のおかげで、パワーリザーブ表示用の部品が36個追加され、3日間パワーリザーブを備えた大型の香箱が搭載されているにも関わらず、ムーブメントの高さわずか4.6mmという薄型を実現しました。
F.A.ランゲの時計作りの理想を反映した1815は、彼の謙虚さ、几帳面さ、完璧を追求する情熱を具現化した時計となっており、時計越しにランゲの歴史を見ているようです。
ぜひ店頭でご覧くださいませ。
A.ランゲ&ゾーネ(A.Lange & Sohne)
モデル名:1815UP/DOWN
品番: LS2344AD 234.032
ケース径:39.0mm
防水:3気圧防水
ケース素材:K18ピンクゴールド
価格: ¥3,454,000(税込み)