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腕時計のフィッティング指南 ブラックパネライ 44mm編|関口 優

スペック上のサイズよりも
見た目とフィット感を大切に

IMG_4442-623x830 腕時計のフィッティング指南 ブラックパネライ 44mm編|関口 優
僕らメディア側の人間は、今の時計業界の情勢を、トレンドでひとくくりにしたがるため、例えばサイズ感については40mm以下が今っぽいと思われている人が多いでしょう。(そういう人は、とても熱心な時計ファンであることが多く、僕らにとってはありがたい方々です!)
しかし、こういうサイズの話は単純にケースサイズだけで語れなくなってきていて、というのも、中に収まるムーブメントが高性能化しつつ薄型になったり、ケース自体も防水性が変わらないのに薄く作れたりなど色々な改善がなされているから。最新のグランドセイコーなんて、40mmを超えるサイズのものでも昔の37mm程度の時計より着け心地が良かったりするし、見た目も不思議とスマートに収まったりするものなんです。
IMG_4444-830x623 腕時計のフィッティング指南 ブラックパネライ 44mm編|関口 優それは、時計の重心やラグ形状について研究が重ねられてきているため、時計のサイズが大きくなっても装着性を損なわないような進化を遂げているというわけです。フィッティングの基準も昔とは違ってきており、(50〜70年代には存在しなかったサイズの時計が出てきているから)、大型モデルを選ぶ場合は、自分の手首幅に収まるケースサイズか、ラグは手首の形状に沿って湾曲しているか、などに注意すると良いと思います。

さて、今回装着感において驚きをお伝えしたいのはパネライです。僕も大好きなデザインのブランドですね。どのコレクションも好きだけど、ルミノールがやはりアイコニックで良い。この44mmのルミノール ヨットチャレンジは、複雑機構であるフライバック・クロノグラフを備えていながら、写真のように腕にピッタリと沿うように着けることができるんですね。しかも、SSモデルと比べてわずかですが軽量性にも優れているため、そもそも大きめサイズのパネライの中でも装着感が良い時計だと思います。

本機は自動巻きモデルですが、同じカテゴリでも、個人的にハンズオンした印象ではルミノールの1950ケース(サイドがより立体的な形状の方)がより分厚く感じられ、通常のルミノールケースの方が腕に吸い付くような感じで着けられました。ちなみに、手巻きモデルはより薄型傾向のため着用感が良く、ケースサイズにしてルミノールより2mm大きいものが同じような着け心地に感じます。
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さて、加えて言うと、黒いケースの時計、というのがスペック以上に時計をしまって見せられるポイントになります。このルミノールの場合、色も黒の面積が大きくブルー・ホワイトの3色でまとめられているため、クロノグラフの要素が多いにも関わらずゴチャゴチャした印象になっていません。こういう時計は、意外と汎用性が高く、重宝します。

かっちりスーツは厳しいとしても、ジャケパンスタイルはもちろん、少しコーディネートを遊ぶことのできるスーツならば使えてしまう可能性大です。繰り返しますが、大きめのパネライでも、黒ケースゆえに見た目の主張がシックに抑えられているためうまく全体の服装になじんでくれるというわけです。
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パネライはその凛々しい見た目に惚れ込んでしまう人が多い時計です。ですが、その形状ゆえにフィッティングが難しい時計でもあります。幸い、自動巻き、手巻きともサイズ展開やケースの素材バリエーションが多いブランドなので、納得いくまで試着をし、自分の手首にあったサイズ・ラグ形状をしている1本を探してみてください。

ホディンキー 日本版編集長関口 優
1984年生まれ。芸能雑誌やモノ情報誌「GetNavi」の編集を経て、2016年より時計専門誌「WATCHNAVI」編集長に就任。2019年には腕時計愛好家を魅了するライフスタイル・メディア「HODINKEE」日本版初代編集長に就任。まず自分が試すことをモットーとしており、腕時計を買い続ける日々を送る。