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腕時計を購入する際、必ず定番モデルを一度は見たほうがいいんです!|関口 優

今回は実体験とともに、徹底熱弁させてください。

腕時計って不思議なもので、定番と呼ばれるアイコン的なモデルが著名ブランドにはひとつはある。これが一流ブランドであるが所以、とばかりにフラッグシップとされているが、ほかの業界では考えられないこと。これは良いことなのか、果たして停滞の証なのか。否、素晴らしく良いことなので、今回はそれを熱弁したいと思う。決して、私が所有するゼニスのクロノマスターがド定番だからする話ではないので、そこのところヨロシク!!

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関口が所有するクロノマスター。ベルトはネイビーの純正に変更しています

さて、洋服などは2〜3年周期で基本的なデザインが変化してゆくし、デザイナーが変わるペースも早い。ブランドもののカバンなんかも、4、5年前のものを持とうものなら、その界隈の人には”まだあんなの持ってる”と後ろ指刺されること請け合いだ。
クルマも同じく、2、3世代型遅れの高級車ほど残念感が否めないものもない。いや、ご本人が大のクルマ好きで、それでいいと言えばいいのだが、単にそのブランドが好きで飛びつくのだとしたら、目まぐるしくモデルチェンジするクルマを所有するには注意が必要といえる。ブランド力を色褪せなく発揮させるためには、せいぜい5年、できれば2、3年で乗り換えていく覚悟が必要だろう。
ここで、クルマにおいて古くとも色褪せなく、型遅れでも惨めでない唯一と言っていいクルマがある。それはポルシェの911だ。

現行で8世代目となる911だが、基本デザインは初代を踏襲し、見るからに普遍のコンセプトが受け継がれている。その間、デザイナーも変わっているだろうに、だ。911は定番中の定番名車といえる。他のクルマブランドが成し得ていない、超定番を獲得する偉業を成し遂げているのだ。うん、やはり定番はイイ、定番はエライ!
ではなぜ定番は数年で乗り換えなくてもブランド価値を毀損しにくいのか。それはクルマ好きでポルシェ911を知らない人はいないし、時計好きでゼニスのエルプリを知らない人もいないというほどに、多くの人の認知と畏怖ともとれる憧れを獲得しているから。たくさんの人が認めるモノを身につけて、自身の個性とできる点で定番品は素晴らしいのだ。

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金無垢ケースを纏って復活した初代モデル。クラシカルだが、印象は現行と遠くない。既に完売だそうです。

 

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飛ぶ鳥落とす勢いのデファイ様。流行りのスケルトンダイアルとスポーティなルックスは確かに魅力的です

ゼニスのクロノマスターは、誕生50周年ということでオリジナルの復刻も発売されたが、基本デザインはほぼ一緒。現行は、オープン仕様になっていることで、進化した印象も満点だ。一方、最近のゼニスといえばデファイという革新的モデルも登場している。もの凄い勢いで人気急上昇中だが、ブランド側に聞いたところクロノマスターと同程度の売り上げであるとのこと。こんなに話題になったモデルでもやっとこさ定番に並ぶのが精一杯である。やはり、定番エライ、だ!

さらに、時計の場合は定番がモデルチェンジする周期もほとんどのブランドで長いことが多い。ようは現行モデルとして着けられる期間が長く、たとえ新作が出ようが一世代前のモノくらいならば、周りからはこだわり派に映るだろう。ただし、それ以上古いモノの場合、例えば10年以上前のモデルはさすがにデザインに隔世の感があるので、洋服や他の持ち物でうまくこだわりを演出して敢えて着けている感を出さないと危険だ。僕も、そういうフレデリック・コンスタントが1本あるが、いまはほとんど着けていない。
とはいえ、定番のすごさは時間が経っても古びなく、長く楽しめることにある。時計選びをするときは、必ず一度は欲しいブランドの定番品を見せてもらうようスタッフに聞いてみるべきである。

IMG_4845 腕時計を購入する際、必ず定番モデルを一度は見たほうがいいんです!|関口 優
3年前の関口。イタリア~ンな格好をこよなく愛していたころ。キメこんだ洋服にトガりめデザインのクロノマスターは、いまではやややりすぎかなと、個人的には思うスタイルですが、さすが定番、しっかりマッチしてます
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これは2019年6月時点の関口。少し老けたのと、力の抜けた格好を好むようになりました。クロノマスターは現在もしっかり愛用中。まったく古びた感じに映りません。マイルドなスタイルをうまくシメる役割で自然に調和するあたり、さすが老舗の定番っす!
ホディンキー 日本版編集長関口 優
1984年生まれ。芸能雑誌やモノ情報誌「GetNavi」の編集を経て、2016年より時計専門誌「WATCHNAVI」編集長に就任。2019年には腕時計愛好家を魅了するライフスタイル・メディア「HODINKEE」日本版初代編集長に就任。まず自分が試すことをモットーとしており、腕時計を買い続ける日々を送る。