時計はどのようにして動いているのか?~機械式時計~

無数の小さなパーツで構成されている機械式時計内部のムーブメント…時計を動かす最も重要な部分は香箱車(1番車)・2番車・3番車・4番車・ガンギ車・アンクル・テンプ・ヒゲゼンマイで構成され、これらのパーツが正確に動くことで時計は時を刻みます。
時計はどのようにして動いているのか?~機械式時計~ - メンテナンス ベーシックな手巻きムーブメント…プレートを外すとこのように歯車やテンプが配置されています。
機械式時計には電池は使われておらず、動力機構はゼンマイであり、画像一番上にある歯車の香箱車にはゼンマイが収納されております。
巻き上がったゼンマイがほどけようとする力が輪列機構と呼ばれる2~4番の歯車に伝わり、時計は動き出します。

スケルトン加工された香箱車…左はゼンマイがほどけている状態、ゼンマイを巻き上げていくと右の画像のようになります。
時計はどのようにして動いているのか?~機械式時計~ - メンテナンス 金色の歯車、上から2番車→3番車→4番車、銀色の歯車がガンギ車、先端2ヶ所にルビーの爪がセットされているパーツがアンクルになります。

2番車は60分で1周し、分針を動かす役割を担います。仲介役の3番車を間に、60秒で1周し秒針を動かす4番車へゼンマイの力が伝わっていきます。
ゼンマイのほどけようとする力がそのまま針を動かす歯車に伝わるのみであれば、針が猛スピードで回転し、すぐに止まってしまい、【正確に時間を刻む】という時計本来の役割を果たすことはできません。
時計はどのようにして動いているのか?~機械式時計~ - メンテナンス 時計の心臓部といわれるテンプ・ヒゲゼンマイで構成される調速機構が規則正しいリズムで往復運動を繰り返すことにより、時計の精度は安定します。
時計はどのようにして動いているのか?~機械式時計~ - メンテナンス 他の歯車と違い個性的な形状のガンギ車と2本の爪を持つアンクル。
ガンギ車とアンクルで構成される脱進機構も重要なパーツで、ガンギ車はゼンマイの力をアンクルや調速機構に伝え、また調速機構で作られた規則正しいリズムを輪列機構に伝える役目を担います。
アンクルは調速機構で作られた規則正しいリズムに合わせてガンギ車の動きを制御します。

それぞれのパーツに不具合が起きてしまうと、時計は正確に時間を刻むことができなくなってしまいます。
経年劣化、誤操作、衝撃、磁気など様々な要因で時計は壊れてしまいますが、機械式時計はメンテナンスをしながら永く付き合っていくことができます。
ご愛用されている時計のメンテナンス、ぜひ弊社にご相談くださいませ。