皆様、こんにちは。谷です。
久しぶりの3連休皆様はいかがお過ごしでしたか?
さて、今回は腕時計の豆知識。どうして利き手ではない腕に時計を着けるのか?その理由を説明いたします。
腕時計はどうして左手に?
通勤電車や街で時計を着けていてる方の腕元をみると、腕時計を左手にはめている人が圧倒的に多いことに気づきます。
右利きの人にとって右手の方がよく使うので見やすいのではないかと思う方も多くいらっしゃるかもしれません。
実はこうした光景も時計の技術の発展に大きく関係があるのです。
18世紀の時計は大きすぎた?懐中時計は左側?
18世紀までの時計は大きく、重く、簡単に腕に着けるものではありませんでした。
懐中時計としてベストのポケットに忍ばせ、時刻を見る時に鎖で引っ張り出す使い方が一般的でした。
アドルフ・ランゲと師匠グートケスが製作した5分時計も、歌劇場で懐中時計を取り出す鎖の音や、暗闇の中で懐中時計を取り出し、柔らかいガラスが割れる音を聞いた当時の王がゆっくり歌劇を楽しむことが出来ないことからグートケスとアドルフ・ランゲに5分時計の製作を頼んだといわれています。
現在のファッション感覚での懐中時計とは異なり、当時は代替えのアイテムがないために持ち歩いていたといわれています。
18世紀末に進化した懐中時計
18世紀末から懐中時計を小型化して腕時計が製作されます。しかし、現代とは異なり、時計は精密機械で衝撃に非常に弱かったのです。ちょっとしたはずみで部品が破損してしまったり、駆動装置が外れてしまったり…。時計が止まってしまうトラブルが、日常的に起こっていました。こぶしでデスクを叩くような動作でも、小さく細かい部品でくみ上げられた腕時計には、かなりの重力が加わっていました。
そこで、できるだけ時計にショックを与えないよう、時計ショップは『利き腕ではない方への装着』を勧めました。
3時位置にリューズがつけられた理由とは?
時計ショップが『利き腕ではない方への装着』を勧めた結果、ゼンマイを巻いたり、針を操作するりゅうずは、左手の装着を前提に3時位置につけられたのです。
左手に腕時計を装着した際に、右手でりゅうずを操作できるように3時位置にりゅうずがついたという事でした。
1970年代のクォーツの誕生
1970年にクォーツやデジタル式など電子腕時計が普及すると、状況は変わっていきました。
電子腕時計は、機械式腕時計とは異なり、部品数が少ない上に一部の部品に樹脂を使用することで、軽くてタフな製品ができるようになりました。
同時にりゅうずを操作する手間も少なくなったため、右手に装着しても不便がなくなりました。
機械式時計の素材や耐久性も懐中時計の時代と比較すると向上しました。
まとめ
いかがでしたか?
18世紀末から基本的な構造は変わらない機械式腕時計。
現代では電子化が進み、携帯電話やITなどを駆使し私たちの生活がより便利で豊かになっています。
時計も同様に、機械式時計からクォーツ時計の誕生などもありましたが、その中でも200年以上変わらないつくりもあったりすると思うと、物事の発展の歴史や凄さを感じます。
是非、皆様も身近なものの発展の流れなどを感じるのはいかがでしょうか?