皆様、こんにちは。谷です。
大阪が梅雨入りしてから1週間、昨日は沖縄が梅雨明けしたと報じる天気予報が!!
大阪は梅雨が明けるまで時間がかかりますが、今の季節ならではの過ごし方もあるのでないでしょうか?
私は、先日『アジサイ』を見に地元のお寺に行きました!身近なところで季節を楽しめるのはいい気分転換になりますね!
是非、皆様も今の季節ならではを楽しんでみてくださいね!!
さて、今回ご紹介する『リヒャルト・ランゲ』。実は、奇妙な数字を持っているのです…。今回は『リヒャルト・ランゲ』に潜む奇妙な数字についてお話していきます。
時計に用いられる主な数字ってなに数字?
時計とひとくくりにしても、時計の数字には様々な表記方法があります。例えば、リヒャルト・ランゲのようにローマ数字、サクソニアのようにバーインデックス、1815のアラビアン数字、ランゲ1のようにポイント使いでのローマ数字など、数字の表示方法は文字盤のデザインに大きな影響を与えます。
では、その数字たちがどのような歴史を辿ってきたのか、気になりませんか?
1815に用いられているアラビアン数字の成り立ちとは?
まず、1815に用いられているようなアラビア数字ですが、決してアラブで開発された数字ではありません。数字の歴史を調べると「アラビア数字」が発明されたのは実は「インド」で、「アラビア」を経由してヨーロッパにもたらされたため、「アラビア数字」と呼ばれるようになったのです。
古代の人類が使用していた初期の数字は象形文字でした。計算はそろばん上で行われ、記録用の文字として数字が使われていました。しかし、アラビア数字ができたことによって、はじめて紙の上で計算できる「算用数字」が考え出されたのです。
そうしてアラビア数字の原型がインドで考え出されたのが、8世紀ごろだと言われいています。紙の上でも計算できるインド数字。西はアラブからヨーロッパに伝えられていきました。
一つは学問を通して、もう一つは商人や十字軍の遠征などで12世紀のヨーロッパに伝わっていきました。
奇妙な発展を遂げた『ローマ数字』
一方で、ローマ数字のように時計独自の数字に発展したものもあります。
注意深くご覧いただきたいのは、『4』という数字です。
本来ローマ数字の4は『Ⅳ』と表記します。しかし時計に用いられるローマ数字の4は『IIII』が用いられています。
一体なぜでしょうか??
王様の命令で新しいローマ数字が出来た!?どうして時計だけ?謎だらけのローマ数字
前の段落でもありましたようにローマ数字は通常、4は『Ⅳ』と書きます。ただ、時計の時だけ変化するのです。
その理由は、とある14世紀に生きていた王様の数字へのこだわりがあったのです。
その王様とは、フランス国王シャルルⅤ世(5世)なのです。シャルルⅤ世は、ドイツから時計技師のヘンリー・ド・ヴィックを招いて宮廷に塔時計を製作させますが、製作中に時計の文字盤に『Ⅳ』が使われていることに激怒します。
シャルルⅤ世は、自分の称号と同じ『Ⅴ』から『Ⅰ』をなくすこと(4『Ⅳ』は前が1『Ⅰ』後ろが5『Ⅴ』:1という数字がなくなる事)は、自分の政治がすぐに終わることをかのようで縁起が悪いと『IIII』に改めさせたと伝えられています。その塔時計は1370年に完成しましたが、それ以来時計職人たちは王様の逆鱗に触れぬよう文字盤に『IIII』を用いたといわれています。
そうして、7世紀以上経った現在でも、時計に用いる『4』というローマ数字は『IIII』が用いられいてます。
実は都合が良かった?現代でも『IIII』がつかわれているワケ??
シャルル5世の考えの元、時計技師が知恵を絞って4を『IIII』と表示。無事にシャルル5世の怒りは収まり一安心。でも、『リヒャルト・ランゲ』をご覧いただくとまだ4は『IIII』が使用されているのです。何故でしょうか?
実は、そこには現代の時代ならではの使い方をされる『IIII』がいるのです。
皆様の中には、シャルル5世が亡くなったら、4というローマ数字をもとの『Ⅳ』に戻せばいいと思う方もいらっしゃるでしょう。
しかし、7世紀以上も変わらず『IIII』が用いられている理由。それは、オリジナリティーの追及です。
通常4は『Ⅳ』ですが、一部に非対称の文字が組み込まれることでデザインに面白さが増します。また、4『Ⅳ』と6『Ⅵ』と間違った数字の読みをすることがないので安心です。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
よく私たちが見る数字もジーっと見ると面白いのかもしれません!
日常に潜んでいる小さな違いは意外と大きいのかなっと思う話でした。皆様も時計で小さな違い見つけたら教えてくださいね!!
また、当時シャルル5世がもし懐中時計や今の腕時計のような時計をもっていたら時計に使われる4は『Ⅳ』のままだったかも知れませんね。
懐中時計や腕時計は時計を所有している人が読み取りやすいようにオーダーメイドで作る事が出来ると考えると、シャルル5世が持つ懐中時計や腕時計だけローマ数字を特注で頼めば問題なかったでしょう。
そういう意味では時計の数字の発展に貢献した人でもありますよね。
是非、皆様も1度推考してみるのはいかがですか?
時計情報
A.ランゲ&ゾーネ(A.Lange & Sohne)
モデル名:リヒャルト・ランゲ
品番: LS2324AD 232.032
ケース径:40.5mm
防水:3気圧防水
ケース素材:K18ピンクゴールド
価格: ¥4,455,000(税込み)